財産目録と貸借対照表

相続時にあるといいのが財産目録です。
これがあることで財産が一覧でわかるため、遺産分割もやりやすくなりますし、遺族同士のトラブルも起こりにくくなります。
しかしただあればいいというものではありません。
できれば貸借対照表を参考にして、わかりやすいものを作れた方がいいでしょう。

貸借対照表とは何かというと、企業などでよく作られる分析資料の表のことです。
その企業が今持っている資産と、抱えている負債が対比できるように表になっており、最終的に黒字なのか、赤字なのかがわかります。
これのいいところは、資産と負債がハッキリ分かれていることです。
たとえばその企業に現金1億円があれば、かなりの資産のように見えるでしょう。
しかしそれの全額が銀行からの借入金だったとしたら、どうでしょうか?
つまりは1億円の借金を背負っていることになりますから、これは紛れもない負債となります。

このようにその企業が持っているものを資産と負債に分け、わかりやすくまとめてあるのが貸借対照表です。
企業経営で大事といわれるキャッシュフローを確認するために使うのもこの表になります。
相続のための財産目録を作るとき、この表を参考にするといいのは、資産と負債を分けて記載するところなのです。

相続財産となるのは、資産だけではありません。
貸借対照表に記されるように、負債もまた本人の持ち物として扱われるため、莫大な借金があればそれも相続財産には含まれます。
財産目録を作るときは、相続財産に当てはまるものはすべて記載しておくのが基本ですから、気を付けてください。
莫大な借金があるのに、それを伏せて現金や不動産などプラスの資産だけを記載すると、負債はないのだと他の相続人が誤解し、相続と放棄のどちらがいいのかの判断を誤る原因となります。

また、それが資産なのか、負債なのかはそれぞれの相続人が知りたい情報の一つですから、資産は資産として、負債は負債としてまとめて書くと、わかりやすい財産目録となります。
こうするとちょうど貸借対照表のように、資産と負債の合計額も簡単にチェックでき、相続と放棄のどちらがお得なのか、簡単に判断できるでしょう。

もしこれがバラバラになっていると、非常にわかりにくくなります。
たとえば資産の現金のあとに借金の記載があり、その次にまた資産の不動産や株式が並んだあとで、また負債となる未納の税金が並ぶといった内容では、それぞれの合計額などを把握するのが困難です。
できるだけわかりやすい財産目録を作るため、貸借対照表を参考にして、資産と負債を整理してから作るといいでしょう。