財産目録を作成する前に

財産目録とは財産を一覧にしたもので、遺産分割協議をするときに役立つだけでなく、医療法人のように医療法第52条の規定によって事業報告書等及び監事の監査報告書を決算届として届け出る必要がある場合には用意しておかなければなりません。
遺産相続の場合と医療法人の場合では使用目的が異なりますが、内容自体は財産の一覧ということで変わりありませんので、すべての財産をチェックしなければならない可能性があるなら作成しておくといいでしょう。

財産目録を作成するうえで知っておいて欲しいのが、どんなものが財産となりうるのかという点です。
これは簡単に言えばプラスの財産とマイナスの財産に分けられるので、まずはそこをしっかり仕分けしましょう。

プラスの財産となるのは宅地、農地、建物、店舗、居宅、借地権、借家権など不動産や不動産関連の権利や現金、預貯金、株券、貸付金、売掛金、小切手など現金や有価証券、さらに自動車、家財、船舶、骨董品、宝石、貴金属、美術品などの動産や電話加入権、ゴルフ会員権、著作権、慰謝料請求権、損害賠償請求権といったものも含まれます。
ほかにも「みなし相続財産」と呼ばれるものもあって、これは被相続人が亡くなったことによって発生する財産のことで、たとえば死亡退職金などが該当します。

一般的に生命保険金や死亡退職金は相続財産に含まないケースもありますが、すでに相続することが決まっている状態だった場合は相続財産としてカウントされることもあります。

また、通夜・葬儀に関するものは相続財産に含まれず、死体の捜索や運搬にかかった費用、遺体や遺骨を自宅まで運ぶためにかかった交通費、火葬や埋葬、納骨にかかった費用、通夜・葬式にかかった費用が該当します。
ただし初七日法要にかかった費用や香典返しにかかった費用、墓石や墓地にかかった費用は控除の対象になりませんので覚えておきましょう。

そしてマイナスの財産ですが、これは簡単に言うと借金のことで借金、買掛金、住宅ローン、小切手などの負債や未払いの所得税と住民税、その他未払いの税金、未払い分の家賃・地代、未払い分の医療費が該当します。
このように財産をザっと並べただけでも非常に多くの種類があることが分かります。
したがって財産目録を作成しておくとどんな財産があるのかすぐに分かりますのでとても便利ですし、遺産相続の際には相続税もかかってくる可能性があるため分かっていたほうが良いと思います。