財産目録の作成義務

相続手続きを進めるときに財産目録を作成することが推奨されていますが、これは無用な相続トラブルを避けるためで、中でも「相続人全員が財産内容について把握できていない」ことがトラブルを引き起こす原因になっているそうです。
財産の全容については基本的に被相続人に近い人物しか知らないことのほうが多いですから、遺産分割協議の時点で相続人全員が財産について把握しているというのは稀なケースでしょう。
しかし財産目録を用意しておけば、遺産分割協議の段階で財産の全容を確認しながら協議を進められるメリットがあります。

それでは財産目録には作成義務があるかというと、法律上特にそういった指定はありません。
したがって遺産分割協議までに財産目録を必ず作成しなければならないわけではありません。
残された財産がほとんどない場合はわざわざ作っても仕方ありませんし、財産の内容がシンプルだったり相続人が少なければあまり意味がないので、わざわざ義務化する必要がないのです。

ただ相続税を申告するときには財産目録の作成が必須となりますので、遺産相続する時点で作成してしまったほうがその後の手続きも楽です。
相続税を申告するにあたって財産の内容をチェックしなければなりませんし、どの財産がどれくらいの価値なのか分からなければ相続税の計算ができません。
つまり財産目録は作成義務がないとは言え、作成するメリットのほうが圧倒的に多いのです。

遺産相続トラブルを引き起こしてしまうと、それまで仲良くしていた身内とも疎遠になってしまいますし、最悪の場合裁判沙汰にまで発展します。
そうすると関係修復が非常に難しくなるだけでなく、裁判のための費用も支払わなければなりませんので、余計な出費が増えるでしょう。
このように遺産トラブルは百害あって一利なしですから、あらかじめ財産目録を作成しておき、すぐに財産の全容が分かるような状態にして相続人全員が気持ちよく相続できるようにするべきです。