財産目録における貸借対照表価額

遺産相続をするときに財産目録を作成しておくと良いと言われますが、これはなぜなのでしょうか?
まず遺産相続をするときには必ず遺産分割協議が行われ、そこでどの財産を誰にどれだけ分配するのか話し合って決めます。
相続できるのは遺言書に記載されている人、あるいは法定相続人のみですが、その人数が多くなれば分配するのも難しくなっていきます。

現金預貯金など、分配しやすい財産であればトラブルにもなりにくいのですが、遺産は必ずしもそれだけではなく、不動産や動産、各種権利関係や生命保険金、骨とう品、貴金属などたくさんのものが該当します。
つまりそのほとんどが簡単に分配できるものではないので、トラブルになる可能性も高いのです。
財産目録を作成しておけば、財産の種類が明確になりますし、その評価額なども分かりますから遺産分割協議のときにも役立ちます。

財産目録でもっとも重要なポイントとなるのは各財産の評価がどのくらいあるかという点で、ここが明確にならなければ遺産分割もスムーズに進みません。
そこで役立つのが貸借対照表に記載されている貸借対照表価額で、これを基に財産目録を作成していくとわざわざひとつひとつの財産を調べる必要もありませんから、手間も省けます。
貸借対照表とは資産や負債、純資産などを会計基準に基づいた評価方法によって記したもので、その種類は非常にたくさんあります。

まず資産には現金、預金、受取手形、売掛金、短期貸付金、未収入金、商品・製品、仕掛品、貯蔵品、前渡金、前払費用、立替金、仮払金、繰延税金資産といった流動的な資産から、建物・構築物、機械・装置、車両・運搬具、工具・器具備品、土地といった有形固定資産、さらに特許権などの無形固定資産や投資有価証券、関係会社株式、長期貸付金なども含まれます。
逆に未払金未払法人税等、未払消費税等、未払費用、前受金、預り金、仮受金などの流動的な負債も記載しなければなりませんし、社債や長期借入金といった固定負債、資本金などの純資産についても記載します。

貸借対照表は企業などでは当たり前に作成されているものなので、馴染みがある人も多いと思いますが、財産目録の作成目的を見ても分かるように遺産分割協議にも大いに役立ちます。
こういった情報源を有効に活用することによって無用な争いを避けることに繋がりますし、貸借対照表価額をしっかり把握しておけばマイナスの財産についても把握できるので相続するしないを決断するときにも役立ちます。